2006年07月14日

連結会計(非常にマニアックです)

会計士試験の受験生時代には完璧であった簿記の連結処理。これが忘れやすいんです。処理も特殊ですし、発想自体がその他の会計と異なるからでしょうか。とりあえず合格と同時に光の速さで忘れていき、半年も経てばまったく覚えていなくなります。

そして実務に出て困るのです。連結、実は上司もみんな忘れています。頼みの綱は合格したての会計士補だけなのです。会計士補もやっと自分の知識を役立たせることができる、と張り切ってしまうのですが、そこは実務、いろいろややこしいのです。

まず、現実の企業グループの中には、資本関係が異常にややこしいグループがあります。持分法の会社のさらに持分法適用対象会社が子会社の子会社だったり、また少数株主かと思えば社長だったり、一族の資産管理会社が登場したり・・・厳しいです。連結は連結対象とするかどうかで利益や利益剰余金がまったく異なってきます。現実では何を連結対象とするか、これがもっとも重要でかつ難題なのです。そういえば最近、投資事業組合を連結すべきだったと某会社関係で騒がれていましたね。

次に連結仕訳、資本関係がややこしいと内部取引の消去が困難になります。いろんな取引があって未実現利益がいたるところで生じている、さらによく見てみると債務超過の子会社があってその会社については繰延税金資産を計上できない。未実現利益を控除しようと思ったら、債務超過の子会社から別の子会社に販売した在庫に係るもので、少持に按分したり税効果を積んだり・・・あ、債務超過だから積めないのか・・・と非常にマニアックで気が狂いそうな事態が起きます。

結論としては、重要性の原則です(笑)。金額を見積もり、小額で重要性が無いと判断できれば仕訳をパスしたりします。先ほども言いましたが、連結でもっとも大事なのは連結範囲なのです。仕訳は・・・投資家を大きく誤らせない程度に処理できていれば良いのかな、と個人的に思います。
posted by 某 at 00:51| Comment(33) | TrackBack(5) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月13日

契約

監査法人(会計監査人)は株主総会で選任します。3月決算の会社の株主総会は基本的に6月に開催されるので、7月の今頃がちょうど契約の更新シーズンなのです。

昔は契約も適当でして、契約書が無かったり、何年も昔の契約書をずーっと生かし続けていたりしていましたが、最近は金融庁がうるさくなってきており、毎年きちんと契約書を取り交わすことが絶対になっています。監査契約は昔から単年度契約でしたので、毎年新しい契約書を取り交わすのはあたりまえなのですが、面倒だったり印紙がもったいなかったりしたのでしょうか。契約は割と適当に扱われていたように思います。

契約といっても契約書を作ってはい終わり、ではありません。いろいろややこしい手続きがあるのです。まず、そもそもその契約を受けても良いかどうか、法人全体としてチェックしなければなりません。次に、監査予定日数と報酬とが見合っているかどうかをチェックします。その後、どういうチームで監査を実施するのか、チームの構成員に会社と利害関係がある人が居ないかどうか、契約書の文面が適切かどうか、その他もろもろのチェックを受けて初めて契約にたどり着けるのです。

こういったチェックは書面で実施し、その結果は監査調書として保存しておかなければなりません。米エンロン、日カネボウと会計士・監査法人批判が高まっていることに起因してこれらの手続きは年々複雑化しています。法人内の手続きですからどうしても優先順位は低くなりがちですし、でも必要な手続きなのできちんとやらなければならないし・・・会計士も見えないところで面倒な仕事がたくさんあるのです。
posted by 某 at 00:07| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月11日

連結経営

私がお邪魔している会社も全て子会社を持っていますし、上場しているか否かを問わず、子会社を持っている会社って相当数あるんじゃないでしょうか。まさに時代は連結経営ですね。

といっても上場会社の中ですら、子会社に対して何の方針も持っていなかったり、完全に自由にさせている会社がけっこうあります。もちろん連結財務諸表は作成するのですが、作成しても社内で管理目的に利用しない、つまり子会社はあるがあくまで単体ベースで業績を把握している会社すらあります。

子会社の事業内容に重要性がない、子会社の規模に重要性がない、理由はいろいろあると思いますが、親会社として、子会社はきちんと管理しなければなりません。

まず子会社として会社形態で運営しているだけで税金がかかってきます。具体的には事業税の一部がかかってくるのですが、例えば子会社ではなく支店という位置づけなのでしたら、その部分の税金負担を免れることができます。せっかく税金を払うのですから子会社はきちんと運営すべきです。

次に子会社を管理しないと様々なリスクが生じます。子会社が会社ぐるみで不正などをすればそれこそ事態は最悪ですが、そうでなくても、例えば同一業種の子会社でしたら親会社と顧客が競合してしまうかもしれません。勝手に社運をかけて大規模な投資を実施してしまうかもしれません。ライバル会社が現れたと思ったら実は子会社だった、そんな間抜けなことはさすがに起きないと思いますが、これに類するような事態は既に起こっているかもしれません。

さらに、先述のリスクの裏返しですが、子会社の保有する優良な資産を生かしきれない可能性があります。せっかく子会社が優良な顧客網を保有しており、そこに親会社の資本が入れば業績が飛躍的に伸びる可能性があるにもかかわらず、その顧客網に親会社が気づかなければ何も生じませんよね。子会社で大量に保有している在庫について、親会社がそれに気づかず発注している、これは現実にも良くある話だと思いますが、もったいない話ですよね。

時代は連結経営だ、とよく耳にしますが、これからは脱連結会計だと個人的に考えております。日本企業は、肥大化した組織の一部を切り離し子会社とすることで、管理を容易にし意思決定を迅速化させてきましたが、今、逆にその弊害も目立ち始めています。会計に限定しますが、業績を管理するのでしたら、わざわざ子会社にしなくても管理会計上の区分を工夫することで対応は可能だと思います。意思決定の迅速化やその他の経営学的な点をクリアすることは簡単ではないでしょうが、脱連結も選択肢の一つとして認知されるべき段階に来ていると私は考えます。
posted by 某 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

現金実査B

現金実査で今でも忘れられない思い出があります。あれは事務所に入所して1年弱経ったときのこと、某会社に監査に行きました。その会社は現金を大量に保有している会社で、私の仕事も一日中現金を数え続けるという非常に非生産的なものでした。

その会社は現金の金額も多額だったのですが、それ以上に硬貨の保有率が異常でした。出るわ出るわ、500円、100円、50円、10円、さすがに5円と1円はあまりありませんでしたが、それでも机の上に置ききれないほどの量。午前中に500円を全部終わらすという予定でしたが、全然間に合っていませんでした。

昼ごはんを食べ終わり、少し慌てないとな、と思ったときでした。
「あっ!危ない!!」
と上司が言うのも間に合わず、
「がっしゃーん!!」
と見事に硬貨の山を壊してしまいました。飛び散る硬貨。床の上を転がっていく硬貨。もう最悪です。現金を数えるどころではありません。必死になって硬貨を探しました。ソファーの下や棚の下にまで転がっていました。それでもなかなか見つからず、結局当時の上司にも探させてしまいました。

とりあえず前日に会社の方が数えた枚数と一致したので、全部見つかったのだと思いますが、あのときのことを思い出すと今でもどきどきしてしまいます。
posted by 某 at 20:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月08日

現金実査A

さて、ここからは実話です。

まずよくあるのが、異常に現金を保有している会社です。
ものすごーく現金に執着心があるのでしょうね。
現金を保有している理由はさまざまですが、多いのは
「苦しい時に銀行がお金を貸してくれなかった。」
「借金を踏み倒され地獄を見た」
というような、「もうお金しか信じられません系」ですね。
他にも「単にお金が好きだから」という理由で
保有している会社もあります。
なんにせよ、最低でも銀行預金に変えるべきだと思います。
現金という形態はあまりにリスキーです。
盗まれたり火事にあったりしたらどうするつもりなのでしょうか。

次にあるのが帳簿の数字と実際の現金の残高が一致しない、という会社です。私が現金を数えてみるとどうしても5万円ぐらい一致しない。
会社の現金担当の方と
「おかしいですねえ、一致しませんねえ」
と悩んでいると、管理担当の部長が現れて
「昨日5万円借りたが返し忘れていた。
 金庫にあったことにしておいてくれ。」
と平気な顔で5万円を金庫に返していました。
中小企業ならそれでいいのかもしれないですけど、
この会社のような上場企業ではこんなこと絶対にゆるされません(笑)
ただただ唖然としたことを覚えています。

これは珍しいのですが、外国のお金を大量に保有している会社もあります。
例えば現地買付の時に必要だから、というような理由で保有したり
しているのですが、まず外国のお金を見てもわからないんですよね。
国名は大体わかるのですが、そこの通貨単位なんて普通は知りません。
「このお札はウクライナの20グリヴナですね」
といわれても、正直20って書いていることぐらいしかわかりません。
それが本当に「ウクライナの20グリヴナ札」なのかどうか
そんなお札初めて見るのにわかるわけないのです。
「絶対騙されてる」
と思いながらとりあえず数えたことを覚えています。
posted by 某 at 01:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月07日

現金実査

会計士はなぜだか現金を数えます。
私にもなぜだかわかりません。
なぜだかわかりませんが、昔からこうでした。
きっと将来も変わらないでしょう。

現金は従業員の不正の対象となりやすく、リスクが高い、
というのが現金を数えるひとつの理由です。
不正というのは、つまり現金をネコババするということですね。
確かに現金の不正は多いことは多いのですが、
まあ実際のところは会計士が現金を数えることによっては
発見できないと思います。
会計士が来る前にとりあえず金庫の中の現金は
帳尻を合わせておくのではないでしょうか。

というわけで、現金をただ数えるだけでは
正直ほとんど意味がないと思います。
そこで大事なのが現金の管理体制です。
例えば現金を扱う人のほかにもう一人現金を数える人を用意し、
毎日その二人に現金を数えてもらう、こうすれば
不正がおきる確率はぐっと抑えられます。
会計士は現金を数える傍らでこっそり
こういった管理体制のチェックもしたりしています。

さて、先ほど現金の帳尻を合わせておく、と書きましたが、
ごくまれに現金の帳尻が合っていない会社があります。
理由はたいていは不正ではなくミスだったりするのですが、
現金すらまともに合わせられない会社は基本的にダメです。
それ以外の管理体制もぼろぼろだと思って良いと思います。
ある意味、現金の管理は会社全体の管理体制判断の試金石なんです。

私が実際出くわした現金にまつわるエピソードは次回に・・・
posted by 某 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月05日

会計コンサル

大手の会計コンサルティングファームがどのようなことをされているのか
よく知らないのですが、私が監査法人でコンサルに近い業務を行った経験
から申し上げると、会計コンサルティングってすごく微妙な仕事です。

会計、というからには、まず会社の財務諸表を眺めます。
しかし、たとえ会計の専門家とはいえ、眺めただけではあまり
たいしたことはわかりません。

できる会計士は眺めた後、自分なりの基準値に照らして
財務諸表を分析します。ここが会計コンサルティングのミソで、
どのような基準を持ってくるか、が腕の見せ所なわけです。

規模や業種による平均的財務数値は中小企業庁から公表されているので
その金額を元にすることも考えられますし、今までの経験を基準値として
分析することも考えられます。

としても、会社は十人(社)十色ですから、一般的な基準値と比較して
どうこうという議論だけでは十分ではありませんし、そんな分析は
意味がないと思います。会社の特殊性を踏まえて分析する必要があるのです。
しかし所詮は会計士、そんな会社の特殊性なんか実務を知らないし
わかるわけありません。

そこで結局何が大事なのかというと、個人の常識になってくるわけです。
「この会社が始めようとしている新規ビジネス、まったく新しい分野だけど
それにしてもこの投資額は会社規模から考えて大きすぎる」
という判断ができるかどうか、「大きすぎる」と思えるかどうかは
個人の常識、価値観の問題としか言いようがないのです。

会計コンサルティングというすごく専門的な香りのする分野で
もっとも必要なのが「常識」というのが、なんとなく
この業界の不思議さを象徴しているような気がします。
posted by 某 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月04日

非監査業務

監査業務のようで監査業務じゃない、それが非監査業務。
コンサルティングのようでコンサルティングじゃない、
それが非監査業務。

会計処理が少々間違っていても、あっさり無視するのが
非監査業務。
会社の問題点について会計的な視点から首をつっこんで
みるのも非監査業務。
コンサルティングのようですが、通常のコンサルティングのように
目標はありません。
継続的に関与して、会社の方の話を聞いて、適当に
ぺらぺらしゃべって帰ってくるのが非監査業務です。

昔の監査ってこんな感じだったのかもしれませんね。
posted by 某 at 21:42| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月01日

株主総会

この金曜が株主総会の集中日だったようです。
株主総会、じつは会計士も裏方として参加したりします。
株主から会計に関する質問が来たときに対応するためです。
といっても基本的な質問は「想定問答集」にありますので
ほとんど表舞台に出ることはありませんが・・・

この株主総会ですが、会社にもよりますがなかなか面白いものです。
昔は議長(通常は社長が議長を務めます)が議案を読み上げると
「異議なし!」「異議なし!」で終わったそうですが、
最近は「モノ言う株主」がはやっているせいか、
自ら「モノ言う株主」を自負しているおっちゃんおばちゃんが
頑張って質問したりします。

「会場の椅子が座りにくい。株主を軽視しているのではないか。」
「友達も株主だが今回出席できなかった。
 友達の分のお土産も持って帰って良いか。」
「会場の場所が不便なので次回から変えてもらえないか。」
「社長のしゃべり方が気に入らない。もっと誠意を持って
 株主に接してほしい。」
「社長の顔が暗いのでなんとなく陰気な気分になってしまった。
 照明をふやせばどうだろうか。」

全部、実際にあった質問です。

こんなのばっかりかと思ったら、たまに非常に鋭いところをついてくる
人がいてたりします。
「あの人は何者だろう」
とみんなで推測したりするのも株主総会の楽しみの一つです。
posted by 某 at 03:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月29日

はじめまして

はじめまして。
落ちこぼれ会計士の某です。
某大手監査法人の地方事務所に勤務しております。

これから会計士業界の裏側や会計の話題などを
適当にお伝えしていければなと思っております。

よろしくお願いいたします。
posted by 某 at 01:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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